熊本県の南部、宇城(うき)地方や八代(やつしろ)地方。 初夏になると、この地域の産直市場や和菓子屋さんの店頭には、瑞々しい緑の葉に包まれた「みょうが饅頭」が並び始めます。
田植えの時期の楽しみとして親しまれてきた、この素朴で香り豊かな郷土菓子・おやつ。
みょうが饅頭とは? その特徴と呼び名
「みょうが饅頭」は、白玉粉や小麦粉を混ぜたモチモチの生地で小豆あんを包み、それをみょうがの葉で巻いて蒸し上げたお菓子です。
「饅頭」という名前ですが、食感はどちらかというとお団子に近く、非常にコシがあります。 食べる瞬間にふわっと広がるみょうがの爽やかな香りが、蒸し暑い季節の食欲をそそります。
地域で愛される「別名」の数々
地元ではその背景から、さまざまな名前で呼ばれることもあります。
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皮はぎまんじゅう:食べる時にみょうがの葉を剥いて食べることから。
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田植えまんじゅう:かつて田植えの合間の休憩(小昼:こびる)に食べられていたことから。
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さなぶり饅頭:豊作祈願の神事や、田植え後の慰労会「さなぶり」の際に食されていたことから。
歴史と文化:なぜこの地域で作られるの?
熊本の宇城・八代地域は、古くから豊富な水に恵まれ、八代平野で収穫されるもち米を原料とした「もち米粉」や「白玉粉(寒晒し)」の生産が非常に盛んです。現在も全国へ出荷する製造会社が点在しており、まさに「もち米の里」とも言えます。
この特産品である粉と、初夏に勢いよく育つみょうがの葉。身近にある素材を組み合わせて生まれたのが、この地域ならではの知恵が詰まった「みょうが饅頭」なのです。
【レシピ】おうちで作る「みょうが饅頭」
みょうがの葉には古くから解毒・殺菌・腐敗防止の効果があると言われており、理にかなった保存食でもありました。ぜひ、新鮮な葉が手に入ったら挑戦してみてください。
材料(20個分)
もち米粉:200g
白玉粉:130g
小麦粉(薄力粉):40g
塩:ひとつまみ
水:適量(様子を見ながら)
つぶあん:600g(30gずつ20個に丸めておく)
片栗粉:適宜
みょうがの葉:20枚
作り方
生地を練る:ボウルにもち米粉、白玉粉、小麦粉、塩を入れ、水を少しずつ加えながら練ります。耳たぶくらいの柔らかさが目安です。
包む:生地を30gずつに分け、丸めておいたあんを包みます。
蒸す:生地の表面に片栗粉をまぶし(葉を剥がれやすくするため)、蒸し器で約10分蒸し上げます。
仕上げ:別途、みょうがの葉だけを2分ほど軽く蒸します。蒸し上がった団子を葉で包めば完成です!
みょうがの葉を茹でて冷凍しておけば、シーズンオフでもあの香りを楽しむことができますよ。出典:熊本県地産地消サイト
茗荷まんじゅうは、いつ、どこで買える?
みょうが饅頭は、葉が収穫できる5月〜9月頃(ピークは5月〜7月)の期間限定です。
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道の駅・直売所:宇城市の物産館や「道の駅」などで、地元の農家さん手作りのものが並びます。
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和菓子店:宇城市や八代市の老舗和菓子店が、毎朝せいろで蒸したてを販売しています。
熊本の「くまもとふるさと食の名人」による体験教室やYouTube動画でも作り方が紹介されており、次世代へとその味が継承されています。
動画引用元:●宇城市観光ホームページ「Uki trip」 https://ukitrip.city.uki.kumamoto.jp/
まとめ
「みょうがの葉がこんなに香るなんて知らなかった!」と驚く人も多い、みょうが饅頭。 モチモチの食感と、鼻を抜ける爽やかな香りは、一度食べると忘れられない初夏の思い出になります。
この時期にしか出会えない熊本の伝統の味、ぜひ一度手に取ってみてくださいね。
出典・参照元:
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農林水産省「にっぽん伝統食図鑑」 の情報を加工して作成
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熊本県地産地消サイトを加工して作成
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宇城市観光ホームページ「Uki trip」 を加工して作成
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Wikipedia、クックパッド 等の情報を加工して作成



