福島県における、手漉き和紙の産地は、和紙の名称「山舟生和紙(やまふにゅうわし)」がある。東北地方の福島県には二本松市「上川崎和紙(かみかわさきわし)」、いわき市「遠野和紙(とうのわし)」と並ぶ産地である。
自然環境に恵まれた当地で良質の和紙が生産されていたが、昭和55年に漉きやさんが途絶えた。手漉き和紙づくりの伝統技法を復活させようと地域住民が、平成7年に手漉き和紙抄紙に取り組み、時代に即した地域の用途に向けた和紙づくりが行われている。
山舟生和紙(やまふにゅうわし)の復活経緯
平成7年に再興された山舟生和紙(やまふにゅうわし)は地元の山舟生小学校の卒業証書の用紙を製作した。
山舟生小学校の生徒たちが、自ら手漉き和紙による卒業証書用紙づくりを体験し学びながら伝統の抄紙技法で作った卒業証書を授与されていた。
卒業証書の制作を当面の目標とする「和紙づくり伝承会」が結成された。
活動は公民館の事業に位置付けられて,山舟生小学校に隣接する公民館内に紙漉き工房を整備し,「和紙づくり伝承館」の看板が掲げられた
活動内容は、山舟生小学校と梁川中学校の卒業証書の作成、旧梁川町内の小中高校を対象とした、
紙漉き体験教室,山舟生小学校での和紙に関する講話が行われている。また和紙製品の開発も行われ,障子紙,名刺,栞,ハガキなどが試作された。
【参照・引用:〈地域調査報告〉 阿武隈山村・山舟生の環境文化資源と地域の力】
しかし、少子化傾向がここにも及び、その山舟生小学校は2017年(平成29年)3月23日、最後の卒業式が行われ、同時に閉校式も執り行われ、141年の歴史に終止符を打たれた。[参照:伊達市広報サイトによる]7年前のことである。
山舟生和紙(やまふにゅうわし)の今後
山舟生和紙は上川崎和紙と並び称される伝統と知名度をもつ一方で,活動は70歳になろうとする個人に委ねられて,その後継者もいない状態である。
当初メンバーの1人であった高齢の公民館長M氏は,山舟生の和紙だけ消えるのはさびしい。
紙すきの設備と道具がそろっているのだからなんとか継続してほしいと語っていた。今は伝承活動にかかわっていない地域の人の和紙に対する思いも深い。(伝承者のお年推定、今日現在[birth day=”19500301″]才~[birth day=”19490301″]才?)
今、最も必要なことは,地元の学校への卒業証書用の紙漉きをしっかり維持・継承するための組織体制を再構築することであると考える。
地元の山舟生小学校は2017年3月をもって閉校となったが,幸いにも卒業証書用和紙の納入先は,旧梁川町から伊達市全域に広がっている。
その製造体制を整えることが必要である。さらに現在,その閉校した小学校の利活用が検討されている。
伊達郡に残った唯一の和紙として,市をあげて支援を受けられるような紙漉きと製品開発の施設として再スタートする絶好の機会でもある。【引用:地域構想学研究教育報告】
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