「かしわ餅」ならぬ「いばら餅」があることを30才後半になってその存在を知りました。
また、葉っぱの名称も地方によって「サルトリイバラ」「サンキライ」「さんきら」「がめの葉」「いばら」「がらたての葉」など、まだまだ多くの呼称があるようです。とても気になり、それらの葉っぱで包んだ郷土のおやつを調べてみました。
”サルトリイバラ”(別名”サンキライ”)の葉っぱで包む「だんご」「もち」「まんじゅう」の呼び名とその地域
サルトリイバラの葉っぱを利用した、まんじゅうとかお餅、あるいは団子などの多くは関東では存在せず、中部圏より西日本全体でこの葉っぱ「サルトリイバラ」を使っているようである。
九州の鹿児島県中南部・種子島・屋久島辺りの「米粉」を使った「かからんだんご」、九州北部にあたる、福岡県下で主に筑前地方では「上新粉と白玉粉」を適宜に配合して作る「がめの葉もち」と呼ばれている。
広島県では「もち粉」、岡山県では「薄力粉と上新粉」、四国の香川県では「だんご粉と小麦粉」をそれぞれ組み合わせて、小豆あんを包んだ「しばもち」とよぶ餡入りもちが作られている。
関西の京都府宇治・京田辺では、「だんご粉ともち粉」の組み合わせ、中のあんは「小豆あん」で「さんきらだんご」と呼ばれている。
滋賀県では「小麦粉・米粉」の配合、餡は「そらまめあん」を使っている。
呼び名は彦根・近江・長浜・湖北地域では「がらたてもち」、滋賀県近江・多賀辺りでは「ぼんがらもち」と呼び名が違うようである。
三重県伊勢・北勢地区では「小麦粉」を使い小豆あんの「がんたち餅」、三重県伊勢志摩・松阪周辺では「小麦粉と上新粉」の取り合わせ、小豆あん「いばらまんじゅう」と呼ぶようだ。
忍者の郷で有名な伊賀市から、江戸時代における東海道の宿場町「関宿」で有名な亀山市にかけては、小豆あんを生地で包んだ「いばら餅」がある。また、農産物の収穫時期によっては、餡にそら豆やエンドウ豆の餡を用いた「どかんもち」「ドッカンもち」なるものもあり、今も親しまれているようだ。
おやつ呼称 | 中身の具材 | 郷土・発祥地 | 主な粉類 |
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かからんだんご | 餡なし/ 小豆粉 ヨモギ 練り込み | 鹿児島 薩摩 大隅中南部 種子島・屋久島 | もち粉 |
いばらまんじゅう | 小豆あん | 三重/伊勢 志摩・松阪 | 小麦粉 上新粉 |
がんたち餅 | 小豆あん | 三重/北勢地区 員弁・桑名 関ケ原 | 小麦粉 |
いばら餅 ドッカン餅 どうかん餅 | 小豆あん えんどう そら豆 | 三重/亀山 伊賀 | |
がめの葉もち | 小豆あん | 福岡県筑前地方 | 上新粉 白玉粉 |
がらたてもち | そらまめあん | 滋賀県彦根 近江・長浜・湖北 | 小麦粉 米粉 |
ぼんがらもち | そらまめあん | 滋賀/近江・多賀 | 小麦粉 米粉 |
さんきらだんご | 小豆あん | 京都府宇治 京田辺 | だんご粉 もち粉 |
しば餅 | 小豆あん | 岡山県 | 薄力粉 上新粉 |
しば餅 | 小豆あん | 広島県 | もち粉 |
しば餅 | 小豆あん | 香川県 | だんご粉 小麦粉 |
ばら餅 | 小豆あん | 徳島県 | 上新粉 小麦粉 |