「笹だんご」ってご存知でしょうか?小豆あんを中味にヨモギ(蓬)を練り込んだ「もち粉と上新粉」で作った草餅と同じような生地で包み、クマササで俵状にくるみ蒸しあげただんごです。
モチモチ感たっぷりで、お餅のような食感が楽しめる草餅と同様の草団子です。
皮で包んだ中味のアンコには、小豆こしあんと小豆粒あんの2種類があるようです。
新潟県の名物、笹だんご
わが家には、毎年初夏になると新潟の知人から、「今年も「笹だんご」を送りますよ」とお便りをいただきます。
もち米のもっちり感とヨモギの上品な風味と笹のやさしい香りがする笹だんごはヨモギたっぷりの草餅大好きの私としては、たまらない感動のプレゼントです。
因みに、私が頂く笹だんごは「越後名物 笹だんご・くしや製菓」の笹だんごです。
取り出すと柔らかな笹の香りがして、食味を想像させてくれます。一口かみしめると、ヨモギの味でより一段と旨みが増してきます。もっちりとして歯ごたえよし、甘さ控えめの小豆あんのうまさも格別です。
このお店の味は、私がとても大好きな笹だんごの味です。
菓子舗の所在地:新潟県新発田市新富町年中地方出荷が依頼できるようです。
お店の名前:くしや製菓舗 ・営業時間:8:00~18:00
住所:〒9570017 新発田市新富町2-4-3tel:0254-24-2610 fax:0254-24-7939
公式サイト URL: http://www.kushiya-seikaho.jp/shop/
通販(上記以外の店)でもお取り寄せができる
笹だんごが生まれた背景と今昔ものがたり
笹だんごって、そもそもどのようにして生まれたのかが気になり調べてみました。
- 笹だんごの誕生
- 笹だんごの変遷
- 昨今の笹だんご事情
1. 笹だんごの誕生
戦国時代の越後の国(現在の新潟県上越市)を納めていた、上杉謙信の家臣が、戦場におもむくときの携帯食、今の弁当に類するもので、笹の殺菌効能を利用した携行食品として発明されたと、北越風土記に記録されているようです。(ウィキペディア参照)
携行食には、必要な条件があることはいつの時代でも同じだと思いますが、
- どのようなシチュエーション(situation)にも食べられること。歩きながらとか、立ったまま、あるいは峠越えなど、時・状態・場面を選ばず食べられることができる。
- 持ち運びがしやすい。嵩(かさ)張らない。
- 食べるときに箸、器などの食器類が不要。
- お茶とか水が無くても食べられる。
- 栄養補給、カロリーの摂取ができる。
- 長時間変質を防ぐ食料である。
などの条件が備わっていないと携行食にならないのですが、見事にこれらの携行食量としての諸条件をクリアした「エネルギー源」を開発した、家臣は優れものですね。
先人の知恵はすごいですね。
多くの植物の葉っぱをいろいろな角度で実体験しながら、時には思わぬ体トラブルも体験しつつ食味試験もしたことで得た知恵だろうと思います。
この戦国時代、生死をかけた日々の中から勝つための必要性が生み出した真の知識ですね。
クマササの葉っぱには、抗菌作用とか防腐効果があると言い伝えられています。その作用を発見し、存分に活用した携行食料なのです。
各時代に生きた人々の活用とか工夫をし、後世に伝え、今なおその知恵を我々利用させてもらっているわけです。
笹だんごに使われるクマササのみならず、サルトリイバラやみょうがの葉、柏餅に使う柏の葉っぱ、桜餅の桜葉、紫蘇(しそ)、ドクダミなどそのほかまだまだあるようですが、しかし、携行するエネルギー源とともに食を楽しむことの意味からするとドクダミなど香りが強すぎる葉っぱ類は不向きのようですね。
2. 笹だんごの変遷
3.昨今の笹だんご事情
・現代では、新潟市の老舗「笹川餅屋」が昭和39年(1964年)に笹だんごとして紹介され、後、新潟産土産物として発展。その反面各家庭で作られなくなってきた。
「笹だんごの特徴」
- 十中八九の人が「美味しい」と応える
- 美味しさはモチモチ感たっぷり
- 草餅の風味が同時に味わえる
- 食物繊維も豊富に摂取できる
- 冷凍保存ができる
・購入できるところは、新潟県内主要駅、道の駅、サービスエリアなどで買うことができる。通販でお取り寄せもできる。
ここを紹介します新潟森林農園製造直売店
笹の葉の抗菌力・防腐効果について
笹のエキスを抽出して試験の結果がwebサイトに数社発表されていますが、笹の葉で包み蒸した葉っぱでの防腐効果が示されているサイトは見つけることが出来ませんでした。が参考になる記事が出ていましたので一部を記載します。
ササの葉に防腐効果は?効果があるとするならば、その成分とは何か。
- 新鮮なササの葉には、中毒の病原菌とされるブドウ球菌や大腸菌に対する 抗菌性が認められることが報告されている。
- 抽出成分 ジエチルエーテル・ 酢酸エチル・ジエチルエーテル・酢酸エチル
- 細菌に対する抗菌性は,有機酸自体の抗菌力と pH 低下作用,およびフェノール性化合物との相乗効果によって発揮するものと考えられる。
- これらの化合物の含有量は比較的微量であるために,長期間の鮮度保持には向かないと思われる。
- 抗菌性を有する成分:青葉アルコール・青葉アルデヒド(青くささを呈する香りの主成分である)
- これらの成分もきわめて揮散しやすいので,葉の鮮度が落ちると急激に減少するものと考えられます。
結論:新鮮なササの葉には確かに抗菌性に関わる低分子量の成分が多数含まれることが分かります。しかし,それらの含有量は小さく葉の鮮度が低下すると急激に減少するため,冒頭の事例のように抗菌力は長続きしないことが予想されます。
参照元:林産試だより
終わりに
笹の葉の抗菌力はすごいですね。しかしご存知の通り、気温、湿度あるいは晴れた日、曇天や雨模様では笹パワーにも差が生じます。抗菌性があるからと過信をしないで、なるべく早くおいしいうちに食べることだと思います。