「半夏まんじゅう」はげまんじゅうとも呼ぶ、茗荷(みょうが)の葉っぱでくるんで蒸しあげた「みょうが饅頭」とも呼ばれる岐阜県美濃市方面に郷土のおやつがあります。
茗荷の葉っぱの香りがさらに風味をもたらしてくれる、忘れられない味である。その昔、田植えが終わり野上りの折り、神様や仏壇そして、お手伝いを頂いた親戚一党に届けていたようです。
美濃の里に伝わる、みょうが饅頭「半夏まんじゅう」小豆あんこのカンタン作り方
岐阜県の中央に位置し、「うだつの街」並みで有名な美濃市、中濃と呼ばれるエリア内に位置するところである。
そのエリアの中でも、牧谷と呼ぶ長良川の支流である板取川水系が牧谷地区と呼ばれていた。
この地でいつのころから、作り食べる習慣になったのか詳細は不明ですが、代々伝わる季節限定の餅みたいな「半夏まんじゅう」です。[半夏=はんげ]と呼びます。
「はんげまんじゅう」がいつの間にか「ん」が抜けて「はげまんじゅう」と呼ばれている食べ物です。
茗荷(みょうが)の葉でくるんで蒸しあげたもの。つまり、「みょうが饅頭」と呼ばれている。
茗荷の風味が美味しさをさらに引き立てます。
わが家でも作ろうと茗荷(みょうが)を自宅で栽培(半夏まんじゅうのために)し、毎年挑戦(3年目)しています。
それぞれのお家によって、粉の種類、粉の配合など作り方や味はさまざま、一般的に味は素朴で飽きない味です。
賞味するのは始めてという、友人数人にもおすそ分け。
「外の皮は噛むともっちり、ほんのり塩味で中の小豆餡の甘み旨みとまさにいい塩梅、甘すぎず、全体のバランスが取れててとても美味しいね」とおおむね好評です。
母の味の本来は強力粉と薄力粉の2:1の配合で作りますが、今年は少し甘さも取り入れてみました。
幼い子たちのおやつにも受け入れてもらえるかもと思い、ホットケーキミックス粉を加えました。
半夏まんじゅうの材料・手順・作り方・・・わが家流
半夏まんじゅうの材料
30個分 粉は合わせて500g 1個当たり目安15gから17g程度とアバウトです
- みょうがの葉・・・60枚
- 強力粉・・・・・・約400g
- ホットケーキの粉・100g
- 小豆(あずき)・・250g
- 塩・・・・・・・・少々
- お湯・・・・・・・200cc
半夏まんじゅうに入れる小豆あんこ 作り方、前日からの準備と当日の手順
小豆あんこ 作り方の手順
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- 小豆を軽く水洗いし、新しい水で小豆を3~4時間、冷やかす(「ほとべる」とか「ほとべらかす」方言に違い「浸す」)
- 夜、寝る前に炊飯器の保温モードで7時間、温める
水の量はご飯を炊くときとほぼ同量の水加減にする。
- 翌日の朝、水を全量捨てる。小豆の灰汁が出ているから
- 新しい水を入れる。この場合は小豆が隠れる程度より少し多め
- 中火で30分煮る
- 白砂糖(120g~150g お好みの甘さで)と塩小さじ1杯を加え、
弱火でさらに30分煮る
失敗しない味の調整の仕方・・・砂糖や塩加減を最初はうす味にして調え、好みで最後の調整をすると美味しくできます。
- 味を点検・・・お好みで甘さ加減を調整する
- 粒あんにするか、すりこぎで半つぶしあんにするか、お好みでどうぞ
- 餡を手で小丸を作る。大きさはブドウの巨砲大くらいの大きさにする
- すべての餡を団子にしておく。水分が飛ばないようにラッピングしておく
茗荷(みょうが)の葉の収穫
みょうがの葉の収穫は朝取りがベスト
他の作物と同様に夜露に濡れながら成長します。
朝取りの葉は、みづみづしく香りも豊かです。
収穫した茗荷の葉の下処理と準備
- 葉っぱの汚れ、葉の裏にクモの巣の付着などないか確かめ、水道水で軽くこすり水洗い。
- 葉っぱの先が茶色く枯れているものはその部分を調理ハサミで切り落とす
- 洗い終わったらザルに移し重ならないよう隙間を広げ水切りをする
作り方は次ページで記したいと思います。「半夏まんじゅう作り方」へ
「みょうがの葉」を使って包む、饅頭・お餅・だんご類の呼び名と食域
◆包む葉っぱの種類:茗荷(みょうが)
No | 呼び名(俗称) | 中身・具・あん | 郷土・食域・発祥地 | 主な粉類 |
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1 | みょうが饅頭 | 小豆あん | 熊本県の宇城、八代 | ・白玉粉
・薄力粉 |
2 | みょうが焼きびん | 小豆あん | 茨城県坂東市 | 小麦粉 |
3 | みょうが団子 | 小豆あん | 新潟県妙高市周辺 | ・上新粉
・もち粉 ・白玉粉 |
4 | みょうがぼち | そらまめあん | 岐阜県西濃地区 | ・白玉粉
・薄力粉 ・米粉 |
5 | 半夏だんご | 小豆あん | 高知県大豊町 | 中力粉 |
6 | 半夏まんじゅう | 小豆あん(作り方) | 岐阜県中濃地域 | ・強力粉
+薄力粉 ・中力粉 |